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末期の腎不全からの復活!レック君の壮絶な体験談!

犬の「腎臓病」とは?

「腎臓(じんぞう)」は、尿をつくるための大切な臓器です。

体内の老廃物を尿として身体から出すために、重要な役割を果たしています。

そのため、腎臓の働きが正しくできなくなると、老廃物が体内に貯まってしまい、身体に悪影響を与えることになります。

腎臓病には「急性」と「慢性」の2つがありますが、いずれも進行すると「腎不全(じんふぜん)」になるので注意が必要です。

では、それぞれの症状について見ていきましょう。

急性腎臓病の症状

急性腎臓病は、数時間から数日で腎臓の働きが低下してしまう病気です。

急激な腎機能の低下により死にいたることもありますが、適切な治療を行うことにより腎機能が回復する可能性もあります。

【急性腎臓病のサイン】

  • 尿が出なくなる(尿がつくられなくなる)
  • 尿の量が著しく減少する
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 食欲がなくなる
  • 脱水症状など

慢性腎臓病の症状

慢性腎臓病は、数か月から数年かけて徐々に腎臓が悪くなっていく病気です。

初期のころは、ほとんど症状が出ないことが多いため、異変に気づいて病院に行った時には、末期の状態になっていることが多いです。

悪くなってしまった腎臓は、残念ながら元に戻ることはありません。

【慢性腎臓病のサイン】

  • 飲む水の量が増える
  • 薄い色の尿をたくさんする
  • 食欲低下
  • 体重が減る
  • 嘔吐
  • 貧血
  • 便秘など

老廃物が排出されず、尿毒症になってしまうと元気が全く無くなり、痙攣などの症状を引き起こすこともあります。

腎臓病の予防と対策

犬の「腎臓病」は、決して珍しい病気ではありません。

全ての犬種に可能性がある病気ですが、高齢になるほど発症率は高くなります。

死亡率の高い病気なので、日頃からの注意が必要です。

では、どのように対策すればよいのでしょう?

腎臓病の予防には、塩分を控えた栄養バランスのとれた食事が必要です。

また新鮮な水がいつでも飲める環境を心がけましょう。

腎臓病は、ほかの病気から発生することもあるため、定期的な血液検査や尿検査を受けることも大切です。

健康診断は腎臓病の早期発見につながることもあります。

飼い主さんは、日頃から愛犬が飲む水の量やおしっこの量をチェックし、異常を感じたら早めに動物病院に行くことをオススメします。

最悪の状態から復活したレックくんの体験!

腎臓の機能が75%以上失われた状態を「腎不全」といいますが、一度かかってしまうと完治が難しい病気です。

しかし、今回ご紹介するトイプードルの「レック君」のように、末期の「腎不全」から復活することもあります。

レック君のママからいただいた、貴重な体験談をご紹介します。

2019年12月30日 〜不調1日目〜

それは突然の出来事でした。

昨日まで元気だった「レック」の様子が、おかしいことに気づいたのです。

朝から食欲が無く、吐いてしまいます。

「風邪かな?」と様子を見ることにしました。

この後、わが家の「レック」に、あれほど大きな試練が待っているとは、想像すらしていませんでした。

1月1日元旦 〜不調3日目〜

翌日も、水は飲むけど食欲は無く、少し食べただけで吐いてしまいました。

散歩に行く元気もありません。

すごくツラそうだったので、祝日でも診てもらえる緊急病院に連れて行きました。

(お正月の為、かかりつけの病院が1月6日まで休みだったのです)

診断の結果は、私が想像していたとおり「風邪」でした。

ひとまず安心して帰宅し、様子を見ることにしました。

1月4日 〜不調から6日目〜

病院で「風邪」と診断されたはずなのに…。

全く食べることができないまま、日に日に弱っていく「レック」…。

かろうじて水を飲む程度で、ほとんど動かなくなってしまいました。

そこでふと、尿の色が透明であることに違和感を感じたのです。

「本当に風邪なの?」と不安になりました。

そこで、セカンドオピニオンとして別の病院へ連れて行くことにしたのです。

ところが、エコーを撮っても異常は見つかりません。

結局、ここでも「風邪」と診断されることになりました。

どこか不安を抱えたまま、点滴と薬をもらって家に帰りました。

1月7日 〜不調から9日目〜

1月7日になっても、レックは何も食べることができませんでした。

年末からの9日間、全く食事ができず、ガリガリに痩せてしまったんです。

なんとか食べさせようと、リンゴをすって無理に飲ませたりしたのですが…(涙)

体力に限界がきているように感じました。

レックの前に飼っていたワンコがいたのですが、その子が亡くなる前のツラい表情が、思い出されました。

「レックがあの時と同じ顔をしてる…」

かかりつけ医のお正月休みが終わったので、朝イチで病院に行き検査をしてもらいました。

そこで思わぬ言葉を聞くことになります。

「腎臓が最悪な状態で、治療できることがありません…」

「覚悟してください」

頭の中が真っ白になり、どうしたらいいのか分からない状態でした。

血液検査の数値が異常で、腎臓の数値は測定不能なほどに上昇していたのです。

クレアチニン7.64(正常1.4まで) BUN140以上(正常29以下)

「点滴で数値が一気に下がれば、恐らく急性腎不全」

「数値が下がらなければ慢性腎不全となり、いずれにしても厳しい状況です」と説明を受けました。

1月8日 末期の腎不全と診断され入院

即入院して点滴治療を開始したのですが、レックの体温はどんどん低下していきます。

ついに「点滴を外して自宅で最期を看取りますか?」と言われてしまいました。

しかし、私たちにそうすることはできませんした。

「点滴にわずかの望みがあれば」と思い、病院で治療を続けてもらったのです。

なぜなら、レックはまだ6歳です。

老犬ならまだしも、若いレッグの生命力を信じて点滴が効くことを祈りました。

「とにかく命が助かってほしい!」

このとき、家族みんなで決めたことがあります。

「レックの前では、笑顔でいよう!」

家族みんなでレックの奇跡を信じました。

「腎不全」の末期状態

犬の腎不全が進行すると、最期は尿毒症になり、舌が壊死してしまうのだそうです。

こんなに怖い病気なのに、初期のころは症状があまり出ないため、気付くのが難しいと言われています。

「調子がおかしいなぁ」と飼い主さん感じた時には、すでにステージ4(4段階で最も重い)の末期の状態が多いそうです。

わが家の「レック」も、慢性腎不全の末期の状態でした…。

1月10日 〜入院3日目〜

「明るく笑顔で!」を心掛けながら家族で面会に行きました。

すると…「あれ!レックの表情が違う!」と思いました。

明らかに、レックの表情が昨日と違っていたのです。

そして、下がらなければならない数値が下がってきたんです!

わずかな光が見えた気がしました。

次の日も、数値は下がっていきました。

まだまだ危ない状態だけど、一歩一歩良くなってきている感じです。

「レック!強いな〜」…(泣)

「レック!頑張って!」

1月14日 レックの舌が壊死した

面会に行くと、レックの舌が壊死していました。

今にも取れそうな状態です。

手術台の上で先生に診てもらっていると、なんと壊死した舌が取れてしまったのです!

わずかに救いだったのは、壊死しているせいか、レックが痛みを感じていないことでした。

レックの舌は奥の方から取れてしまったので、もはや流動食や水すら飲めない状態です。

「栄養が取れないということは、生きてはいけないということです…」と先生から言われました。

腎臓の数値は下がってきているのに…。

「レックの生命力を信じよう!」

まだ、望みは失っていませんでした。

1月15日 舌が取れてからの困難

大切な舌が取れてしまったので、レックはご飯を食べることができません。

体重がさらに落ちて、フラフラの状態になっていました…(泣)

唯一の希望は、腎臓の数値が少しずつ、でも確実に下がっていたことです。

入院8日目には、正常値まで下がってきました。

「レック〜頑張った!」

先生からは、「少しずつ食べる練習をしましょう」と言われ、2週間ぶりの食事に意欲があったと聞きました。

本当に嬉しかったです。

117日 退院

先生から「もう助からない」と言われたレックが、「明日にでも退院しましょう」と言われました。

奇跡が起こったと思いました。

腎不全の末期状態から、退院できるまでに回復したのです。

「レック頑張ったね!お家に帰れるよ!」

このころのレックには、徐々に食欲も戻っていました。

流動食で栄養が取れそうなくらい、元気になっていたのです。

1月18日 腎不全が奇跡的に回復

レックが、家族の待つ「わが家」に帰って来ました。

これからは、流動食の与え方を練習しないと…(汗)

足腰が弱くなっているけど、散歩もOKが出ました!

レックは舌が無いのに、番犬として頑張って吠えてくれます。

1月21日 〜退院4日目〜

ガリガリに痩せてしまったけど、レックは元気です!

先生からは、「流動食とフードを増やしていきましょう」と言われました。

水も、なんとか飲んでいます!

体重が2キロも減ったままなので、体重を増やそうね!

1月24日 先生が驚くほど回復!

病院に検診に行くと、「食欲があるなら、市販の缶詰でも良いですよ」と言われました。

点滴と注射も打ってもらいました。

ここまでの回復に、先生と看護婦さんがビックリしています。

「腎不全」は完治しないので、これからも通院しながら治療をすることになります。

6月17日 〜退院後6ヶ月〜

退院してから6ヶ月が経ち、定期検診に行ってきました。

検査の結果、腎臓の数値がほぼ正常値になっていました。

食欲もありますよ〜(笑)

「腎不全」で死の宣告をされたレックでしたが…

この日、7歳の誕生日を家族みんなで迎えることができました!

2021年1月2日 〜「末期の腎不全」から1年後

あれから1年が過ぎました。

1年前のお正月は、とっても苦しんでいたレック!

復活したレックが、夕焼けを前にイキイキした目をしながらポーズをとっています!

退院して2年後

現在のレックは「腎不全」の後遺症で、ヨダレが出てしまいますが、食欲は旺盛です!

舌が無いレックは、ウエットタイプの食べ物を長めのスプーンで、口の中に入れて食べさせています。

水は、哺乳瓶タイプの器具で飲ませています。

怖い病気と闘病生活を乗り越えたレック!

ありがとう!これからも一緒に楽しもうね!

レック君、ママさん

貴重な体験談をありがとうございました。

 

【写真•情報提供/レッグ君ママ】

インスタグラム

https://www.instagram.com/rec0617

  • この記事を書いた人

にこまる

《13歳トイプードルの女の子 にこまる》/水晶摘出•左目失明•右目視力無し/乳腺腫瘍摘出/遺伝性網膜萎縮•アトピー性皮膚炎/気管虚脱/パテラグレード2から1に!

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