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犬は、喉が渇く感覚が鈍い
犬に限らず全ての動物にとって「水」は必要不可欠な存在です。
当たり前のことですが、必要な水分を摂取しなければ、健康を維持することが難しくなり、思わぬ病気の原因にもなってしまいます。
特に犬は、喉が渇く感覚が人よりも鈍いため、水分不足による脱水症状や体調不良を起こしやすい、と言われています。
脱水状態が続くと、腎臓や膀胱などの病気の原因になったり、熱中症で命を落とすこともあるので注意が必要です。
犬が、たくさんの水を飲むときは、上昇した体温を下げようとする時です。
たとえば、お散歩や運動の後には、たくさん水を飲みますが、これは喉が渇いたというだけでなく、熱くなった体温を下げるために飲んでいる、と考えられています。
そのため、冷房が効いた室内では、体温があまり上がらず、喉が渇いていても水を飲む量が減ってしまうことがあるので注意が必要です。
また、犬は歳をとるほど喉の渇きを覚えにくくなります。
高齢犬の場合は、水飲み場まで行くことを面倒臭がることもあるので、水分を取らせるための工夫が必要になります。
1日に必要な「水」の量
犬が1日に必要な水分量は、体重1kgあたり、50〜60mlと言われています。
愛犬が、毎日どのくらい水分を摂取しているか、目盛りのついた水飲み器などを利用して確認しておくといいですね。
- 体重3kgのワンちゃんなら、1日に150〜180ml
- 体重5kgのワンちゃんなら、1日に250〜300ml
- 体重7kgのワンちゃんなら、1日に350〜420ml
多飲多尿には注意!
反対に、1日に飲む水の量が、体重1kgあたり90mlを超えてしまうと、今度は水の飲み過ぎということになります。
多飲多尿は、病気の可能性があるので、病院に行くことをオススメします。
犬がたくさん水を飲むようになったら、食欲はあっても検査をした方がいいでしょう。
脱水症状のチェック法!
愛犬が、脱水状態かどうかをチェックする方法があります。
- 背中側の首の皮を軽くつまみます。
- つまんだまま、時計回りに90°回します。
- 回した皮がすぐに戻るなら脱水の心配はありません。
首の皮が、元の状態に戻るまでに5秒かかる場合、全身の5%程度脱水しているといわれています。
すぐに水分補給をしてあげましょう。
また、オシッコの状態から水分不足かどうかを判断することもできます。
オシッコの色が濃い、ニオイがいつもより強いなどの場合も注意が必要です。
水分を摂らせるようにしましょう。
犬が水を飲まない理由
「愛犬が、あまり水を飲んでくれない」という悩みを抱えている飼い主さんは多いようです。
犬が水を飲まない理由としては、過度なストレス・体のどこかに痛みがある・水飲み場に問題があるなどいくつかの原因が考えられます。
過度なストレス
突然、病院やペットホテルなどに預けられたり、家族の中でトラブルがあったり…。
犬の不安や恐れが高まると、食事を取らなくなったり、水を飲まなくなったりすることがあります。
愛犬が水を飲まないと思ったら、ストレスになっている原因はないか、チェックしてみてください。
ストレスの原因があれば取り除き、溜まったストレスは、運動や遊びなどによって解消するようにしてあげましょう。
ケガや病気による体調不良
犬がいつもより水を飲まなくなったら、体のどこかにケガや病気などの異常があるのかもしれません。
たとえば、骨折などの痛みにより、水飲み場まで歩くことができない場合があります。
また、お腹の痛みや吐き気などで水を飲みたくない場合もあります。
だからといって水を飲まないでいると、犬の体調を悪化させてしまうので注意が必要です。
水飲み場の問題
水飲み場の環境によって、犬が水を飲まなくなることがあります。
たとえば、水飲み場のすぐ外で工事をしていたり、大きなトラックなどが通る道に面していたりすると、犬は怖がって水飲み場に近づかなくなるかもしれません。
また、水を入れる容器や水そのものが汚れていたりすると水を飲まなくなることがあります。
愛犬が落ち着いて水を飲める環境かどうか?
水飲み場や水は、いつも清潔に保たれているか?
など、一度環境をチェックしてみるといいかもしれません。
環境に問題があるようなら、水飲み場の位置や水飲み器を変えてみてください。
水飲み器の中には、流れる水が作れたり、いつも新鮮な水が出てくるものもあります。
このような水を好むワンちゃんもいるので試してみてください。
犬に必要な水分を摂らせるには?
愛犬が、「水」を飲まない場合、工夫によって必要な水分を摂らせる方法があります。
どうやって水を飲ませるか?
というよりも、必要な水分をどのように摂取するかと考えると様々な方法があることが分かります。
ここでは、いくつかの方法をご紹介します!
1.水の温度を変える(氷やぬるま湯)
犬の中には、生温かい水や食事を嫌うワンちゃんもいます。
特に夏場の水は、すぐに温かくなってしまいます。
そのようなワンちゃんには氷を与えたり、水の中に氷をいくつか入れてみてください。
氷好きのワンちゃんは多いです。
氷を舐めたり、かじったりすることで必要な水分を摂ることができます。
反対に、冷たい水よりもぬるま湯の方が好き、というワンちゃんもいます。
その場合、一度沸騰させた水を、適温(ぬるま湯)になるまで冷ましてあげてください。
こちらは、カルキ臭が苦手なワンちゃんにも有効です。
2. 水分の多い食事に切り替える
野菜スープご飯や、水分量の多いウェットフードに切り替えることで、必要な水分を食事で補うことができます。
ウェットフードは、水分含有量が75%ほどあり、栄養と共に水分を補給することができます。
また高齢犬やアレルギー体質のワンちゃんなどは、野菜スープご飯にすることで健康を維持し、体質改善を図ることもできます。
カリカリのドッグフードを与えている場合、ぬるま湯などでふやかしてから与えると、水分量を増やすことができます。
3. 水に味付けをする
水の中に、ワンちゃんが好きなものを混ぜて味付けするのも効果的です。
たとえば、以下のようなものがあります。
- 肉や野菜を茹でた後のスープ
- カツオブシや煮干しのだし汁
- 犬用ミルク
- ヨーグルト
- ちゅ〜る
- 納豆など
ただし、塩や醤油などの調味料は入れてはいけません。
注意してください。
4. スイカ・きゅうり・トマトを与える
スイカやきゅうり、トマトは、比較的アレルギーが少ない食材です。
このような食材には、多くの水分が含まれているので、効果的に水分を補給することができます。
ただし、初めてあげるときは、少量をあげてみてアレルギー反応が出ないかどうかを確認してください。
ちなみにブドウは、犬に与えてはいけない食べ物です。
犬が中毒を起こす可能性のある食べ物については、十分に注意してください。
5. 水の種類を変える
犬の中には、水道水に含まれるカルキ臭を嫌うワンちゃんもいます。
この場合、一度沸騰して冷ました水や、ペット用のスポーツドリンクを飲ませるのも一つの手です。
人間用のミネラルウォーターも犬に飲ませることはできますが、尿路結石ができやすいワンちゃんなどには、不向きなことがあります。
愛犬の体質や好みに合わせてください。
まとめ
愛犬の健康を維持するために、「水」は必要な存在です。
そのためには、愛犬が毎日どのくらいの水分を摂取しているのかを確認する必要があります。
あまり水を飲んでいなければ、体調や環境に問題があるのかもしれません。
原因があるようなら早めに取り除いてあげましょう。
また、水そのものに問題がある場合があります。
これには、水や食事を変えてみたり、氷やスイカなどの食材で水分補給ができるように工夫してみることも大切です。
多飲多尿になっている場合には、病気など他の原因が考えられます。
動物病院などで検査を受けることをオススメします。