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愛犬の自宅での出産
愛犬が自宅で出産をするとしたら…(汗)
飼い主の皆さんはどうするでしょう?
愛犬の避妊手術を行なったご家庭では、あまり想像できないかもしれませんが、「愛犬の子どもを育てたい」と希望する飼い主さんもいます。
新しい命が誕生するのは、とっても素敵なことですよね。
しかしどんな動物にとっても、「出産」にはリスクが伴います。
今回は、そんな愛犬の出産についてのお話です。
交配から出産までの期間
犬の妊娠期間は、約9週間。
交配した日から58~63日間ほどで出産をむかえます。
犬の場合、早産などはあまり見られず、ほとんど予定日通りに出産すると言われています。
交配後、22~30日間を過ぎると、超音波検査で正常に妊娠しているかどうかを検査することができます。
そこから逆算すると出産までの準備期間は、40日ぐらい。
その間に飼い主さんができる準備やサポートを整えておきましょう。
出産時のトラブルに備える
「出産」にはリスクが伴います。
当然のことですが、すべての子犬が健康で生まれて来るとは限りません。
母子ともに命の危険にさらされたり、動物病院での緊急処置が必要になることもあります。
産まれてすぐに死んでしまったり、先天性の疾患や、奇形をもって産まれることもあります。
せっかく健康で産まれても、何らかの理由で母犬が子犬の育児を放棄してしまうケースもあります。
この場合、人工授乳で子犬を育てなければなりません。
「妊娠したから、自然に生まれるだろう」
と安易に考えてはいけないのです。
万が一に備えて、かかりつけ医と相談しながら、夜間や救急対応に備えましょう。
出産後の処置
出産の直前には、「破水」がおこり、羊膜に包まれた子犬が生まれてきます。
自然界の出産では、母犬が自力でへその緒を噛み切り、羊膜を破り、子犬を舐めて刺激することで呼吸を促します。
しかし、こうした行為をしないこともあるので、人の手で介助しなければならない場合もあります。
そのような時には、以下のような手順で子犬を取り上げることになります。
- 羊膜を手で引き裂き、子犬を顔から出します。
- へその緒の、へそから1㎝ほどの場所を糸で縛ります。
- 消毒をおこなった清潔なハサミで、へその緒を切ります。
- 子犬を乾いた清潔なタオルで包みます。
- 子犬の首筋から背中を優しくこすって刺激し、呼吸を促します。
産声を上げて呼吸を始めるまで、諦めずに行なってください。
病院に連絡が必要な状況!
次のような場合には、至急、動物病院に連絡してください。
- 強い陣痛から30分以上たっても子犬が出てこない
- 破水が起きてから3時間たっても子犬が出てこない
- 1頭目が産まれないのに、緑色の液体が陰部から出てきている。(2頭目以降は緑の液体が出ていても大丈夫です)
- まだお腹の中に子犬が残っているのに、4時間以上経っても出てこない
- 子犬の体の一部が、胎内で引っかかって出てこない
- 出産予定日から3日以上経っている
今回は、愛犬の出産を四世代にわたって体験した、ハッピーちゃんママさんの体験談をご紹介します。
4代に渡る自宅出産の体験談
こんにちは!
わが家の愛犬達は、自宅で出産をしてきました。
しかも、4代に渡ってです。
これはつまり、最初のワンちゃんのひ孫と暮らしている、ということです。
新たな命が誕生する瞬間は、いつも感動に包まれます。
私にとっては、大切な思い出です。
1代目キャンディーちゃんの出産
最初の自宅出産は、愛犬キャンディーでした。
交配から62日目での出産です。
誰に教えられたわけでもないのに、母犬が自ら羊膜を破り、赤ちゃんをペロペロなめながら、呼吸を促していた「キャンディー」…。
「キャンディー」の出産では、赤ちゃんのへその緒は、私達が切りました。
基本的に犬は安産だと言われていますが…
出産時には、相当な痛みがあったように思われました。
キャンディーは、痛そうに目をつむっていたんです。
本当に、よく頑張ってくれました。
出産から3日目くらいになると、土を掘るような仕草を見せたり、しきりと陰部をなめたりしていました。
母犬になったキャンディーは、おっぱいの出も良く、良いお母さん犬でした。
2代目メリーちゃんの出産
キャンディーの子供が「メリー」です。
「メリー」が出産した時は、微弱陣痛のため、動物病院で帝王切開を行うことになりました。
しかし、促進剤を使用したせいか、1頭は産まれてすぐに亡くなってしまったのです。
また、母犬のおっぱいが出なくなってしまったので、仕方なく私が3時間おきにミルクをあげることにしました。
さらにトラブルは続きます。
帝王切開の傷口を縫った糸が、子宮に癒着してしまったのです。
その後、卵巣子宮摘出手術を受けましたが、1ヶ月たっても傷口は腫れたまま、治る気配がありません(泣)
違う病院で検査した所、回復を妨げていた珍しい菌がお腹から見つかり、治療をしてもらいました。
予想もしないことの連続で、怖い経験でした。
3代目夏樹ちゃんの出産
メリーの子供は、「夏樹」といいます。
2回も出産を経験しました。
しかも、そのうちの1回は、車の中での出産だったんです!
これには、とても焦りました…(汗)
夏樹が自分でへその緒を噛んだ際に、出血してしまい…。
慌ててへその緒を処理しました。
4代目ハッピーちゃんの出産
夏樹の子供の「ハッピー」は、当初、出産に対して怖がっているようでした。
出産時は、ずっと鳴いたり、走ったり…。
無事に出産できた時には、ホッと胸を撫で下ろしたのを覚えています。
そんな4代目の「ハッピー」も、2022年10月で16歳になります。
愛犬の出産を4代も経験したことは、素晴らしい思い出になっています。
自宅出産の経験から伝えたい事!
自宅出産以外にも、わが家で生まれた子犬たちの出産には、お産婆として3回立ち会いました。
その経験から気をつけて欲しい事があります!
出産時に陣痛がこなくて、1頭目がまだ生まれていないのに、緑色の液体が陰部から出ていたら、すぐに病院に行ってください。
その場合、胎盤が先に出てしまうので、赤ちゃんが助からなくなり、母親も危ない状態になります。
また、レントゲン検査にて、お腹の中に4頭確認されているのに、4頭産まれなかった時には、お腹の中で亡くなっていることがあります。
そのままにしていると、他の赤ちゃんや母体も危険な状態になります。
至急動物病院を受診してください。
微弱陣痛や予定日を過ぎても産まれない場合も、すぐに病院に行ったほうが良いですよ。
パッピーちゃん、ラッキーくん、ママさん!
貴重な体験談をありがとうございました。
【写真•情報提供/よしえママさん】