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不治の病からの復活!犬の進行性脊髄軟化症を克服した「さくまる君」

さくまる君を突然襲った、犬の「進行性脊髄軟化症」とは?

犬の「進行性脊髄軟化症」(しんこうせいせきずいなんかしょう)という病気をご存知ですか?

これは、椎間板ヘルニアなどに関連して発症する病気なのですが、発症すると、わずか1週間ほどで死に至ってしまう、犬にとっては大変怖い病気なのです。

しかも現在のところ、有効な治療法がありません。

発症後は脊髄が壊死し、液体のように溶けながら頭部に向かって進行していきます。

最終的には、呼吸をするための神経までもが壊死してしまうため、呼吸困難に陥ります。

その苦しみを避けるため、安楽死を選択するワンちゃんも少なくありません。

しかし、犬の「進行性脊髄軟化症」は、手術によって回復することもあります。

トイプードルの「さくまる君」もこの難病から奇跡的に回復することができた一例です。

さくちゃんママからいただいた貴重な体験談をご紹介します。

2020年10月4日 〜発症1日目〜

それは、突然の出来事でした。

私が帰宅すると、いつもは喜びながらピョンピョン飛び跳ねてくる愛犬の「さくまる」が、その日は、飛び跳ねないし元気がないのです。違和感を感じた瞬間でした。

 

「昨日と反応が違うね」

と話をしていました。

突然、キャンと鳴いたり…。

どこか様子がおかしいのです。

その夜には、後ろ脚が立たなくなりました。

わずか数時間のうちに後肢麻痺。

夜間救急に飛び込みました。

レントゲンの検査では問題はなく、脊髄の病気を疑われました。

その時の診断は、「神経麻痺グレード4」

10月5日 〜発症から2日目〜

翌日からは、立ち上がることもできなくなりました。

苦しそうに横たわる「さくまる」…。

排泄機能も麻痺したために、自力での排泄ができなくなりました。

圧迫排尿の指導を受け、排泄介助が発症の翌日から始まりました。

寝たきりの愛犬にできることは、それだけでした。

翌日にMRIの予約が取れました。

10月6日 〜発症から3日目〜

予約したMRIの検査を受けるために、画像診断センターに行きました。

下された診断は、全く想像していないものでした。

犬の椎間板ヘルニアで最も重症度の高いグレード5。

しかも進行性脊髄軟化症の疑いがある、ということでした。

進行性脊髄軟化症の疑い

進行性脊髄軟化症は、脊髄神経が壊死していく病気。

「数日のうちに死に至ることもあるので覚悟してください」

と言われました。

 

夕方、なんとか帰宅しましたが…

「がんばったね」

そう声をかけるのが精一杯でした。

 

この時にあったわずかな可能性…

その可能性に気づけなかった。

後々すごく後悔をすることを、この時はまだ想像もしませんでした。

「数日で死んでしまうかも」

「治療法はない」

と言われ、絶望していたのです。

麻痺は、後肢から前肢へと進み、前足を突っ張るようになりました。

どんどん首の方に進行していく麻痺。

「このまま麻痺が進めば、次第に呼吸ができなくなる」

進行性脊髄軟化症とは、そういう病気だと説明を受けました。

かかりつけ医がお休みだったので、MRIの結果を持って、翌日に受診するように言われました。

発症からすでに48時間が経過。

これが運命を分けた瞬間だったかもしれません。

犬の椎間板ヘルニア 生死を分ける48時間!

あの時、こうしていれば…。

と考え出したらキリはありませんが、正直、悔いが残っています。

後になって分かったことですが…

椎間板ヘルニアのグレード4以上の重症例では、できるだけ早期の外科的手術が必要だったのです。

治療成績を分けるのが、発症からの48時間。

そう、この日に手術できていれば、その後の結果は違っていたかもしれません。

 

この間、痛み止めやステロイドの内服をしていましたが、そんなことではなく、「早期に手術をする必要がある」ということをはっきり教えて欲しかった。それでも結果は同じだったかもしれないけど…

これは、無知だった飼い主の責任でもあります。

今の私に言えることは、後悔しないためにセカンドオピニオンの必要性もあるということ。

一人のお医者さんだけでなく、複数のお医者さんに診てもらう、ということです。

その時の私は、愛犬のために何もできず、痛みで鳴く我が子に寄り添うだけでした。

10月7日 〜発症から4日目〜

受診先の病院では対応できない、とのこと。

そこで専門の病院を紹介してもらい受診することになりました。

検査データ、画像を全て揃えて紹介先の病院へ。

かなり深刻な状況でした。

発症してから時間が経ち過ぎていること、

進行性脊髄軟化症が疑われることが問題でした。

「手術をしても命の保証はできない」

「このまま死んでしまうことも十分考えられる」

苦痛を与えるだけなら、安楽死という選択も考えなければならない状況です。

先生は、「助かっても自分の足では歩くことができない」ということも説明してくれました。

「とにかく命が助かってほしい!」

「さくまるともっと一緒に過ごしたい!」

でもこの選択をすることで、辛く苦しい思いだけをさせて、ただ死なせてしまうかもしれない。

どうすることが正解なのか?

命の選択なんてできるはずがない!

そんな時、さくまるが、ひょこっと起き上がりこちらを見たのです。

生きる目をしていました!

諦めない希望の目でした!

手術をして命が助かることに賭けてみることにしました。

手術の前、回復を祈って記念撮影をしました。

10月8日 〜手術当日〜

手術をお願いすることに、もう迷いはありませんでした。

命の保証はなく、助かっても介護生活は避けられません。

元通り元気にはなれない。

死んでしまうかもしれない。

手術をする先生にも、迷いがなかったわけではありません。

「助けた動物たちが不幸になる姿は見たくない」

そう話してくれました。

一つだけ先生と約束したことがあります。

「この子を不幸な子にはしません!」

そう約束しました。

命が助かっても、長い介護生活に疲れてしまう飼い主さんがいることも知りました。

まだ若いさくまるには、長い介護生活が待っています。

いろんな覚悟で手術に臨みます。

椎間板ヘルニアの手術に加え、進行性脊髄軟化症にも有効とされる手術をすることになりました。

その手術に一縷(いちる)の望みを託しました。

手術当日は、飼い主の不安を感じ取ったのか、さくまるを悲しく鳴かせてしまいました。

奇跡的に手術は成功!

手術が成功しました!

術後3日目に初対面。

生き返ったように元気な顔が印象的でした。

そしてそのまま退院しました。

さくまるの後脚は麻痺したままですが、

もう、進行性脊髄軟化症の心配はありません。

表情が明るくなりました。

笑顔も見られるようになりました。

1018日 〜術後10日目〜

椎間板ヘルニアを発症してから2週間が経ち、進行性脊髄軟化症の危機を乗り越えました!

術後10日目、元気に「ワンワン」と吠えることができるようになりました。

ご飯もよく食べてくれるので嬉しい…。

犬用のオムツよりも、人間の赤ちゃん用の方が、吸水性や通気性に優れていることも分かりました!

おしっこは圧迫排尿ですが、さくちゃん頑張っていますよ。

1022日 〜術後14日目〜

さくまるが、めちゃくちゃ笑顔でお迎えしてくれました!

私がどこにいても、前脚だけで素早く移動し、動きが機敏になってきました。

手術をすれば、回復する可能性があるのです!

同じような境遇にいる飼い主さんやワンちゃんのために、

さくまるの体験が少しでも役立ってくれたら、と思います。

116日 〜術後28日目〜

術後の経過は良好で、さくちゃん元気にしています。

今週末で手術から1ヶ月。

最近はわりと自由に動いていて、嬉しい限りです!

一度は諦めかけた命

家族みんなが、さくちゃんの頑張りに力をもらっています。

車椅子の許可が出たらいいな。

 

118日 〜術後1ヶ月〜

手術してくれた先生に診てもらいました。

経過は良好!

実は、先生もダメかと思うくらいの状態だったそうです。

ヘルニアの手術に加え、硬膜切開という特殊な手術もしてくださったお陰で、進行性脊髄軟化症を克服できました。

車椅子のOKも出たので、来週作りにいきます‼️

さくちゃん!走れるぞー!

車イス犬のさくちゃん!

 

1115日 〜車イス1日目〜

動けるって楽しいよね!

初めての車椅子!

うまく乗りこなしているね!

車椅子は、「ポチの車椅子さん」に親身になって作っていただきました。

とても軽い車椅子は、怖がりのさくちゃんも嫌がることなく乗りこなします!

新しい可能性をありがとう。

心から感謝です✨✨✨✨✨✨

車椅子でのお散歩気持ちいいー‼️

日に日に慣れて、体の一部のようになってきました。

1213日 〜さくちゃん3歳のお誕生日〜

お誕生日おめでとう🎂

さくちゃん3歳になったね!

二人三脚、これからも宜しくね。

まだまだ、ながーい犬生!

長生きしようね。

楽しい時間を過ごそうね。

さくまる〜!

今日も元気でありがとうー! 

【情報・写真提供/さくちゃんママ】

さくまる君とさくちゃんママの奮闘記!

ご紹介した内容は、さくちゃんママからいただいた体験談と

さくまる君のYouTube 「さくちゃんねる」をもとにご紹介しました。

動画でご覧になると病気に対する理解がさらに深まります!

ぜひご覧ください!

さくまる君!さくちゃんママさん!貴重な体験をありがとうございました。

【さくまる君インスタグラム】  https://www.instagram.com/furikake211

【YouTube ・さくまるちゅーぶ】 https://youtube.com/channel/UC2hhgQ8KAw7QNea-rVqBe9g

  • この記事を書いた人

にこまる

《13歳トイプードルの女の子 にこまる》/水晶摘出•左目失明•右目視力無し/乳腺腫瘍摘出/遺伝性網膜萎縮•アトピー性皮膚炎/気管虚脱/パテラグレード2から1に!

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