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犬の腸重積(ちょうじゅうせき)とは?
犬の「腸重積」(ちょうじゅせき)とは、腸管の一部が腸管の中に入り込んでしまい、抜けなくなる病気です。
特に回腸と盲腸の接合部で起こることが多く、腸閉塞を併発する怖い病気のひとつです。
腸重積を放置すると、腸が壊死して命にかかわります。
ほとんどの場合、原因がはっきりせず、突然特発性に起こることが多いそうです。
猫よりも犬で多くみられ、特に1歳未満の幼犬に起こりやすいといわれています。
腸重積の症状
- 腹部へのタッチを嫌がる
- 食欲不振
- 嘔吐
- 脱水症状
- しぶり腹(便を出そうとするが出ない
- 腹痛
- お腹が膨れる
- 血便
診断は、超音波検査、レントゲン、血液検査などによって行われます。
重篤な場合には、ショック症状を引き起こすことがあるそうです。
怖い病気ですよね…(汗)
腸重積の原因
腸重積(ちょうじゅせき)の発生原因は、はっきりしていません。
突然起こる特発性であることが多いそうです。
- 腸管内寄生虫
- 異物(特にストッキングやひも状異物)
- 寄生虫
- 腸炎
- 腫瘍
- 感染症など
様々な原因で発生するそうです。
腸重責の治療法は?
犬の腸重積(ちょうじゅせき)の治療法は、基本的には外科手術が唯一の治療法になります。
- 腸の重積部分を整復する手術をします。腸自体に障害がなければ、腸管を元の状態に戻すだけで症状が消えます。
- 血行障害で腸の重積部分が壊死(えし)を起こしている場合は、外科手術によって患部の切除が行われます。
手術後は、速やかに回復することが多いそうですが、2日から3日程度の絶飲絶食が必要なため、基本的には入院が必要になります。
腸重積(ちょうじゅせき)は、急に起こり重篤なトラブルとなる怖い病気です。
症状は、他の疾患でもよくみられる症状なので、しばらく様子を見てしまい、気づいたときにはかなり状態が悪くなってしまっている場合も少なくありません。
いつもより調子が悪いと感じたら、なるべく早く動物病院に連れて行ってあげてください。
今回は、「りる」ちゃんママさんからいただいた、貴重な体験談をご紹介します。
体調不良から「腸重積」(ちょうじゅせき)と診断された「りる」ちゃんの体験談!
こんにちは!
今回は、愛犬「りる」が3歳の時の体験談をお話しします。
元気だった「りる」に、あのような試練が待っているとは、想像すらしていませんでした。
2021年10月22日
それは突然の出来事でした。
それまで元気だった「りる」が、夜になり元気がなかったんです。
しかも、加湿器の裏に隠れている…。
夜ご飯を食べた後は、吐いてしまいました。
「どうしたんだろう?」と気になりながらも様子を見ることにしました。
10月23日
朝も昼もご飯を食べましたが、14時から3回続けて吐いてしまいました。
しかも、15時から10時間も水を飲まない状態でした…(汗)
「風邪かなぁ?」
と心配になりながらも様子を見ていました。
10月24日
翌日は、朝から食欲が無く、水は少し飲むけど、元気もありません。
1日経ってもよくならない為、かかりつけの病院へ連れて行き、エコー検査をしてもらいました。
そこで、思わぬ言葉を聞くことになります。
「腸の中が大量出血です!」
「緊急に手術できる病院を紹介します…」
頭の中が真っ白になり、どうしたらいいのか分からない状態でした。
すぐに、かかりつけのアテナ動物病院(テラスモール湘南)から、同系列の相模原どうぶつ医療センターへ「りる」を連れて向かいました。
医療センターでは、より詳しい検査を受けることになりました。
検査の結果は、腸に異常があり、丸い物の画像が発見されました。
その為、すぐに緊急手術になりました。
原因は誤飲ではなく、腸の端(盲腸に近い)に繊維質が溜まっていて、それが腸を縛って一部が壊死していました。
病名は、「腸重積」(ちょうじゅせき)でした。
「りる」の腸の一部は壊死し、真っ黒の状態になっていたそうです。
手術は、腸の端を15針を縫う手術になりました。
手術は無事に成功しましたが、コロナ禍で面会できませんでした。
すぐに会いたい気持ちを抑えながら、入院中は毎日電話で様子を聞いていました。
「大人しくお利口さんですよ」
「順調に回復していますよ」と聞き、胸が熱くなっていました…(涙)
「家に帰りたいよね…」
「もう少し頑張って!」
病院で頑張っている「りる」をすぐに抱きしめたい気持ちを、グッと我慢しながら、心の中で応援していました。
10月31日
手術から1週間で、「りる」は、元気に退院することができました。
退院時に病院から、りるの写真入りのメッセージを頂きました。
りるの命を救っていただいた、病院の先生とスタッフの皆さまに感謝の気持ちでいっぱいでした。
11月7日 抜糸
術後は、15針縫ったとは思えないほどの回復力でした。
退院後1週間の食事は、ヒルズのAD缶を同じ割合の水で薄めた物を、1日1缶を3回に分けて食べさせていました。(基本的に我が家は1日3回の食事です)
「りる」は食欲旺盛で、元気な姿を見ると、とても嬉しかったです。
11月13日
退院後8日目から4日間は、ヒルズのAD缶と、ロイヤルカナンの消化器サポート高繊維を30gを柔らかくしたものに変更しました。
その後は、缶詰の代わりに、柔らかくしたロイヤルカナン消化器サポート高繊維を60gを食べさせていました。
「もしかしたらお腹がゆるくなるかもしれないよ」
と先生に言われていましたが、うんちも正常で安心しました。
それ以来、1度も不調無く、元気に日常を過ごせています。
手術から1年経ちましたが「りる」は、腸重積(ちょうじゅせき)の後遺症もなく、とても元気に過ごしています。
「りる」ちゃんママさんが伝えたい事!
今回の事があり、24時間体制で診てくださる病院が県内にあって本当に良かったと思いました。
かかりつけの先生の素早い判断と、相模原での緊急手術のおかげで、「りる」の命は助かりました。
もし、「りる」と同じ様な症状で、病院に行くか悩んでいる飼い主さんがいらしたら、すぐに動物病院に行くことを、オススメします。
りる!これからも一緒に楽しもうね。
りるちゃん、ママさん!
貴重な体験談を、ありがとうございました。
【写真•情報提供/りるちゃんママ】
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