しつけを失敗しない3つの心構え
犬のしつけは、何のためにするのでしょう?
飼い主さんを困らせないためでしょうか?
人間社会のルールに従わせるためでしょうか?
確かにそのような目的があることは否定できません。
しかし本来のしつけとは、愛犬と飼い主さんが、安心して快適に暮らすために行うものだと思うのです。
一見困ってしまう犬の行動にも、実はそれなりの理由があったりします。
その理由を理解せず、「悪いことばかりする」と叱っていたのでは、愛犬との信頼関係は壊れてしまうかもしれません。
そうではなく、犬の気持ちを理解した上で、問題となる行動を変えることができれば、お互いの理解は深まります。
何より大切なのは、お互いの信頼関係です。
そこで、しつけを失敗しない3つの心構えについて解説していきます。
1. 叱らない・けなさない・無理しない
犬のしつけにおいて、「叱る・けなす・無理をさせる」は逆効果になることが多いです。
本来の目的である「しつけ」ができなくなるばかりか、愛犬との信頼関係も壊れてしまいます。
「そんなことやっちゃダメ!」
「何でできないの?」
「ダメな犬だな」
などのような言葉も使わないようにしましょう。
「犬には言葉の意味が分からないだろう」と思われるかもしれませんが、飼い主さんの声や言い方、表情や態度などから、「酷いことを言われた」ということは理解します。
「飼い主さんに嫌われてしまった」と不安に感じるワンちゃんもいるでしょう。
これらによって犬の心は傷つき、しつけがうまくいかなくなることがあります。
また、愛犬が乗り気でないとき、嫌がっているときなどに無理に行ってもいけません。しつけは、ご機嫌のよいときやリラックスしているときに行うようにしましょう。
2. とにかく褒めて育てる
しつけの基本は、とにかく褒めて育てること。
犬は飼い主さんに褒められることが大好きです!
飼い主さんに認めてもらうことで、犬は自信を持って成長することができます。
犬はとても賢いので、飼い主さんからお願いされたこと、教えられたことを学ぼうとします。
そして、その結果によって行動が決まっていきます。
「決められた場所でおしっこをしたら褒めてもらえた」
「吠えるのを止めたらご褒美がもらえた」
などの経験を重ねることで学習していきます。
「〇〇をすれば良いことがある」と分かれば、その行動を自然と繰り返すようになります。
飼い主さんが意図的にこれを行えば、それがしつけになっていくのです。
3. 愛犬の行動の理由(気持ち)を理解する
「犬のしつけがうまくいかない」
と悩む飼い主さんは多いです。
その原因の一つとして、犬の気持ちや行動の理由を理解していないことが考えられます。
飼い主さんにとっては、「困ったなぁ」と思うことも、犬からすれば自然な行動ということは多いです。
たとえば、飼い主さんのスリッパや持ち物をかじってしまう行為です。
犬にとってみれば、大好きな飼い主さんの匂いのついたスリッパや持ち物はお気に入りのアイテム。
それをかじることがなぜいけないのか?
なぜ叱られてしまうのか、がワンちゃんには分かりません。
その気持ちを理解せず、叱るばかりでは、愛犬との信頼関係が壊れてしまいます。
このような場合は、かじられてもよいものを愛犬に与え、かじられたくないものは出しっぱなしにしないということが最善の解決策になりますが、このように行動の理由がわかれば、解決策もみえてきます。
犬という動物の性質を知り、愛犬の性格や行動を理解すれば、しつけのやり方も見えてきます。
まとめ
犬のしつけとは、人間の都合に犬を従わせるということではありません。
愛犬と飼い主が、安全で安心な暮らしをするため、楽しく快適に過ごすためのものです。
そのためには、飼い主さんと愛犬の信頼関係を築くことが何より大切です。
しつけの中でその関係を壊してしまうと、しつけが失敗してしまうばかりか、その後の関係もうまくいかなくなってしまいます。
今回ご紹介した3つの心構えを守り、上手にしつけをしていきましょう。