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人と犬、双方の安全を守るのに欠かせない「まて」
「まて」は、その場からじっと動かず、他の行動をさせないためのしつけです。
「まて」ができるようになると、飼い主さんを困らせる多くの行動を回避することができます。
たとえば、危険な場所に入ろうとしたときや、犬と同伴できるレストランで食事をするときです。
周囲に多くの人がいたり、他の犬がいてもしっかり「まて」ができると、飼い主さんも安心できますよね。
また、災害時の避難生活では、人と犬の安全を守るために不可欠なしつけになるので、日頃からの訓練がとても重要です。
そこで今回は、「まて」のトレーニング法について解説していきます。
「まて」をマスターするための3つのポイント
「まて」というと、伏せて待つ姿を思い浮かべる方も多いと思いますが、最初は「おすわり」の姿勢で「まて」ができるようにします。
「おすわり」ができないワンちゃんは、まずは「おすわり」を身につけるようにしましょう。
伏せた状態で待つ「ふせまて」は、「ふせ」を教えてから、「まて」をすればできるようになります。
ご飯やオヤツを与える前に「まて」をする飼い主さんがいますが、楽しみなことを待たせるのは、犬にストレスをかけてしまうので注意が必要です。
待たせる必要がないときは、「まて」の時間を数秒程度にしてあげましょう。
1. 「まて」を解除する「よし」がポイント
「まて」を教えるポイントは、「まて」を解除する言葉=「よし」にあります。
「まて」の後に「よし」と言われたら「必ず良いことが起こる!」と犬に覚えさせることで、「まて」ができるようになるのです。
飼い主さんとの信頼関係ができていれば、飼い主さんがその場を離れても、「よし」と言われるまで犬は待てるようになります。
2. トレーニングの仕方・ご褒美をあげるタイミングに注意
では、「まて」のトレーニング法をご紹介します。
先ずは、ご褒美のオヤツを手に握り、犬に「おすわり」をさせてください。
「おすわり」をしたら「まて」と声をかけます。
1〜2秒じっとしていられたら、「よし」と声をかけてご褒美のオヤツを与えてください。(褒めることも忘れずに!)
待てないときは、再挑戦です。
犬が興奮し過ぎて集中できなかったり、嫌がるようならすぐにやめ、落ち着いたタイミングで練習するようにしましょう。
これを繰り返しながら、待つ時間も少しずつ長くしていきます。
ただし、長くできるようになっても、犬にストレスがかからないようにしましょう。
3. 距離や時間を長くして、レベルアップをしましょう!
10秒程度「まて」ができるようになったら、距離や時間を長くして、徐々にレベルアップをしていきます。
距離をとるときは、「おすわり」をさせてから「まて」と声をかけます。
「まて」の状態を確認しながら、飼い主さんは少しずつ後ろに下がり、距離をとっていきます。
この時のコツは、犬が動いてしまう前に戻り、「よし」と言ってからご褒美のオヤツを与えることです。
犬は、「待っていればオヤツがもらえるんだ」と覚えていくので、時間を長くすることもできるようになります。
様々な場面でも「まて」ができるように練習すれば、レベルアップができますね。
「ふせまて」の教え方
犬が伏せた状態で待つ「ふせまて」は、座っているより楽な姿勢なので、長時間待たせる必要があるときに効果的です。
犬と同伴できるカフェやレストランなどで、おとなしく「ふせまて」をしているワンちゃんがいますが、これができるようになると飼い主さんも安心できますよね。
ただし、店内の環境や待たせる時間によっては、強いストレスになることがあるので注意しましょう。
刺激の強い場所や長時間の「まて」は、できるだけ避けた方がよいです。
「ふせまて」を教えるためには、まず「ふせ」を教えてから「まて」を行います。
「ふせ」のトレーニング法
- 「おすわり」をさせます。
- おやつを愛犬の鼻先に近づけ、おやつに注意を引きつけます。
- おやつを動かしながら、犬が伏せの状態になるように誘導します。
- 伏せた状態になったら「ふせ」と言い、ご褒美のオヤツをあげ、褒めてあげましょう。
「ふせ」の言葉を覚えるまで、毎日繰り返し行います。
「ふせ」の状態で「まて」のトレーニングを行えば、「ふせまて」ができるようになります。
まとめ
「まて」は、犬に困った行動をしてほしくない公共の場や、危険な場所などで効果を発揮します。
特に災害時の避難生活などでは、愛犬の行動をおさえるためのしつけは重要です。
いざという時に備え、日頃から訓練をしておきましょう。
訓練によってレベルがあがると、飼い主さんがいなくても長時間待てるようになりますが、そのためには日頃からの信頼関係が大切になります。
「まて」の訓練では、「よし」の言葉のあとに必ずご褒美を与え、褒めてあげることで信頼がつくられていきます。
ただし、犬にとって「待つ」という行為はストレスになります。
強いストレスになるような待たせ方には注意が必要です。