犬の緑内障とは?
犬の目の中では、毛様体(もうようたい)と呼ばれる組織から、眼房水という水のような透明な液体が作られています。
この眼房水は作られた量と同じ分だけ、隅角(ぐうかく)という場所から排出されているので、目の中の眼房水は常に一定量に保たれています。
しかし、何らかの理由で眼房水がうまく排出されなくなってしまうと、眼房水がどんどん目の中にたまっていき、眼球内部の圧力(眼圧)が上昇します。
その結果、視神経や網膜に障害をきたし、視覚喪失をもたらす可能性のある状態が「緑内障」です。
眼圧がそれほど高くなければ、ほとんど症状はありませんが、眼圧が急激に高くなると目の表面が白く濁ったり(角膜浮腫)、目が大きくなったり(牛眼)、瞳孔が開いてしまったり(散瞳)、白目の部分が充血したりします。
緑内障の症状は?
- 眼をしょぼしょぼしている
- 白目が赤くみえる
- まぶしそうにまばたきする
- 眼の表面(角膜)が濁っている
- 眼が見えてなさそう
- 眼を気にしている
- 元気がない
- 顔周りを触ると嫌がる
このような状態を放置してしまうと、眼圧上昇により眼球自体が大きくなり(牛眼といいます)眼は深刻な状態になります。
このような症状に気づいたときには、すぐに動物病院の受診をオススメします。
緑内障になる原因は?
緑内障は、「原発性緑内障」と「続発性緑内障」に分類されます。
【原発性緑内障】
原発性緑内障の発生には遺伝が関係していると考えられていて、緑内障を引き起こすような目の病気がないにもかかわらず、隅角の異常から眼圧が上がることで発症します。
詳しい原因は不明ではあるものの、特定の犬種(柴犬、アメリカン・コッカー・スパニエル、シーズー、ビーグル、ゴールデン・レトリーバー、プードルなど)に起こりやすいとされています。
4歳くらいで発症することもありますが、6~7歳くらいの年齢で発症しやすいことがわかっているそうです。
【続発性緑内障】
併発している緑内障とは別の眼疾患により、二次的に眼圧が上昇しているものです。
併発疾患として多いものは、外傷・水晶体前方脱臼・白内障・ぶどう膜炎・眼内腫瘍・網膜剥離などの原因が存在し、その結果として緑内障となります。
治療法は?治せるの?
お薬を使った治療としては、点眼薬や飲み薬で房水の出口を広げたり、作られる房水の量を減らしたりして眼圧の上昇を抑えます。
急激な眼圧の上昇に対しては、点滴治療で急速に眼圧を下げる治療を行います。
お薬での治療で良くならない場合には、レーザー治療で房水が作られる量を減らしたり、眼球内の手術により新たな出口を作ったりして、眼圧の上昇を抑えます。
様々な治療を行っても眼圧の上昇が抑えられない場合、最終的に眼球摘出を行うことがあります。
緑内障の手術は手技が難しく、眼科専門の病院など設備の整った施設で行われることが多いです。
また、犬の緑内障は、残念ながら現代の獣医療では完治することが難しく、治療を続けていたとしてもいつかは失明してしまう可能性が高いそうです。
今回は、そんな緑内障と診断された「さくら」ちゃんの体験談をご紹介します。
緑内障と診断された「さくら」ちゃんの体験談!
こんにちは!
もう亡くなってしまった先住犬マルチーズ「さくら」の体験談をお話しします。
あの頃は「緑内障」の情報が少なかったので、もう少し情報があれば救えたのかな…と今でも後悔があります。
さくらが5歳の時、目がちょっとおかしいような気がして…。
かかりつけの病院が休診日だった為、
「明日病院に行こうね!」と次の日に病院に行くことにしました。
この後、我が家の「さくら」に、大きな試練が待っているとは想像もしていませんでした。
5歳で「緑内障」の診断!
目がちょっとおかしいと感じた日は、かかりつけの病院が休みだった為、次の日に病院へ行きました。
検査の結果は、眼圧も高く「緑内障」と診断されたんです。
先生のお話しでは、「24時間以内だったら何とかなったかも」と言われ、とても後悔しました…(涙)
「かかりつけ医じゃなくても違う病院に行けば良かった…」
後悔で頭がいっぱいでした…(涙)
今は、すぐにいろいろな情報を調べる事ができる時代ですが…。
当時はガラケーの時代で、今の様に簡単に検索できる時代ではなかったです…(汗)
まだ5歳だった「さくら」が、まさか緑内障の病気になるとは、思ってもいませんでした。
普通の子は眼圧が上がってしまうと痛いらしいのですが、「さくら」は痛みが無かった為、義眼などの手術は受けませんでした。
治療法は、2種類の目薬を1日に何度かさす点眼の治療を続けました。
見た目は不便に見えますが、目の眼球摘出手術をせずに目薬投与の治療ができた事は、本当に安心しました。
また先生の診断では、光は感じていたようで、そのことも救いでした。
11歳まで点眼治療を続けていましたが、急に体調を悪くし亡くなってしまいました…。
死後、病理検査の結果がきたのですが、病気の原因はわかりませんでした。
今でも鮮明に覚えていますが、亡くなったお顔は眼圧がかからない為、可愛かったお目目が戻っていたんです。
可愛い「さくちゃん」のお目目が!
このような体験から、もっと情報があったら違う処置ができたのではないか?
もっと早く病院に連れていけばと、今でも後悔が残っています。
今は、いろいろな情報をすぐに調べる事ができる時代になり良かったと思います。
現在は、愛犬コトとアルに同じ様なことがないように毎日アイコンタクトをしながら体調にも気をつけています。
愛犬の目に少しでも違和感を感じたら、すぐに動物病院の受診をして欲しいです。
【コトちゃん&アル君】
さくらちゃんママさん!
貴重な体験談を、ありがとうございました。
【写真•情報提供/さくらちゃんママ】