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犬の癲癇(てんかん)とは?
犬のてんかんとは、発作的な痙攣(けいれん)や意識障害などを起こす脳疾患のことをいいます。
脳に起こる障害ですが、脳そのものは正常で、機能にだけ異常が起こる病気です。
癲癇(てんかん)が起こると、どんな症状になるの?
犬の「てんかん」と一言でいっても、その症状は様々です。
部分的に起こる小さな痙攣(けいれん)もあれば、全身を震わせるほどの痙攣(けいれん)もあります。
また発作が起きている時間も違えば、次の発作が起こるまでの間隔も違います。
てんかんの主な症状としては、
- 全身の痙攣(けいれん)
- 四股をバタバタさせる
- 手足を伸ばして硬直する
- 意識を失って倒れる
- 手足や、顔面の一部がけいれんする
- よだれがたくさん出る
- 失禁、脱糞する
などがあります。
ただ、このような発作をはじめて目にすると、飼い主さんは驚いてしまいますよね。
しかし、慌てる必要はありません。
発作がおさまれば、犬は何事もなかったかのように普段どおりに戻ります。
てんかんの原因
てんかんの原因として、「特発性てんかん」と「症候性てんかん」があります。
「特発性てんかん」は、様々な検査をおこなっても原因が特定できないものですが、遺伝的な要因などが考えられています。
「症候性てんかん」は、事故による外傷や、脳の病気が原因となるものです。
ただ、「なぜ痙攣が起こるのか?」など分からないことが多いです。
犬の癲癇(てんかん)になった時に飼い主さんができることは?
てんかんの発作が起こったら、以下の点に注意しましょう。
- 発作中は、愛犬に呼びかけたりしない
- 愛犬の体に触れない
- 広い空間を確保する
- 発作が起きた時間や発作の継続時間をメモする
- 動画を撮影する(獣医に見てもらうため)
いずれにしても、飼い主さんは落ち着いて行動することが重要です。
癲癇(てんかん)の治療法と注意点
てんかんは、完全に治すことが難しい病気です。
そのため、発作を抑えるための薬(抗てんかん薬)で、発作のコントロールを目的とした治療を行うことになります。
ただし発作の頻度が多くなったり、発作の時間が長くなったりしたら、重症化している可能性があるため注意が必要となります。
今回は、てんかんの重い症状から回復し、今も治療を続けるマロンちゃんの体験談をご紹介します。
マロンちゃん初めての癲癇(てんかん)!
わが家の愛犬マロンに「てんかん」の症状があらわれたのは、7歳になったばかりの冬のことでした。
その時、私は旅行中でしたので、マロンは実家に預けていたのです。
突然のてんかんに、一番ビックリしたのは、マロン本人です。
初めての発作のあと、私の母から全く離れなかったと聞きました。
マロンの発作を電話で聞き、慌てて旅行先から帰宅したのを覚えています。
すぐに病院へ連れて行くと、「てんかん」と診断されました。
完全に治す方法はなく、「症状が出たら点滴や抗生剤の注射をしましょう」ということになりました。
私自身にとっても初めてのことです。
知らないことばかりだったので、本やネットであらゆる情報を読み漁って勉強しました。
マロン2回目の癲癇(てんかん)発作!
2回目の発作は、2ヶ月後の季節の変わり目に起こりました。
この時から、痙攣(けいれん)と共に、出血性の大腸炎を起こすようになりました。
ウンチを出したいのに、出るのは粘膜と出血のみで、マロンの体は震えっぱなしの状態でした。
とても辛かったと思います。
獣医師の先生からは、「この症状も発作の一種です」と言われました。
ただ、この頃はまだ注射をすれば、すぐに効いていたんです…。
マロンちゃんの癲癇(てんかん)との付き合い方!
てんかんの発作が起きてからは、特に季節の変わり目には気を配っていました。
室内の温度を一定に保ったり、出来ることは何でもしたつもりでしたが…。
暑すぎる日や、寒すぎる日には、必ず軽い発作が出ていました。
それが、8歳の夏を最後にピタリと発作が止まったんです!
これには嬉しくて、ほっと胸を撫で下ろしました。
とはいえ、その後も定期検診には通い、生活環境にも注意を払っていました。
「このまま完治してくれたらなぁ」と思いながら、9歳、10歳、11歳…と時が過ぎていきます。
年を重ねても、てんかんの発作は無くマロンも元気に過ごしていました。
恐れていた、てんかん発作が再発!
ところが、12歳のお誕生日が近づくころ、恐れていたてんかんの痙攣(けいれん)発作が、突然再発したのです!
このときの私は、「以前のように注射をすれば治るだろう」と、安易に考えていました。
しかし、今回は違っていたんです…。
次の日になっても症状は改善せず、逆に悪くなっていくのです。
体は震えるばかりで、お尻からの出血が止まりません。
食欲もなく、水も全く飲まなくなりました。
30分置きにウンチを出そうとするのですが、お尻から出てくるのは赤い血ばかり…。
私は、そんなマロンを見守ることしかできませんでした。
なぜなら、私たちが住んでいる街には、夜間に対応してくれる動物病院が無かったからです。
「まーちゃん、頑張れ!」
「神様、マロンを連れて行かないで!」
と小さな体を抱きながら祈りました。
マロンの入院!癲癇(てんかん)の怖さ!
翌朝すぐに病院に連れて行きましたが、マロンの目には力がなく、脱水症状と出血のストレスから血糖値が上がり過ぎていました。
先生からは即入院と言われましたが、マロンにとって入院は何よりのストレスです。
先生にお願いをして、私も一日、病院で様子を見ることにしました。
しかし夕方になっても良くなる気配がありません。
結局、二日間入院しました。
退院はできましたが、それから毎日、薬と注射のために通院をすることになりました。
マロンが、ご飯をちゃんと食べれるようになったのは、それから2週間後のことです。
しっかり歩けるようになるまで3週間かかりました。
私は、てんかんの恐ろしさを突きつけられました。
周りに相談もできず、ただただマロンの背中をさするだけの毎日だったのです。
しかし、マロンが頑張ってくれたお陰で、12歳の誕生日を笑顔で迎えることができました。
どんなに辛く苦しくても、私に尻尾を振ってくれたマロン!
いつも前を向いていたマロンをたくさん褒めてあげたいです。
これからも、一緒にリハビリとお薬頑張っていこうね!マロン!
体験談を投稿するマロンママさんの想い!
私は、この体験談のお話を頂いた時、にこまるママが作ろうとしている情報サイトがあったら、どんなに心強かったかと身に染みています。
私とマロンの体験談が皆さんのお力になれれば嬉しいです。
同じ病気、そしていろんな病気と闘ってるお友達が、1日も早く元気になることを祈っています。
マロンちゃん、ママさん!
体験談をありがとうございました。
マロンちゃん、これからも元気でいてね!
【写真•情報提供/マロンちゃんママ】
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